愉しく俳句

2003 俳句をうたう

平成15年11月23日inめん房たけや(稔町)
司会 三上ちひろ ピアノ 奈良岡英樹

第一部1997「陸」第15回東北大会in浅虫 作曲 川村昇一郎
眼下つがる肩離れゆく夏の蝶
加藤 楸邨
志功指さす天に板彫るねぷたかな
田川飛旅子
鰯雲いろはにほへと河またぐ
宮川 翠雨
2001俳句歌曲リサイタル作品(in弘前文化会館)

冬寒雀松葉まつばの足のあと

大橋 畊拓

歯を抜きしイブの賑わい遠かりき

泉 涼女

初空やおまえも仰ぐか冬はこべ

木村 詩織

春ひな納む閉じぬ眼の深眠り

かわむら 紫穂

春の日に白桃色の湯花入れ

大瀬 響史

黒揚羽鳥語の中に飛びかひし

三浦星津女

若葉風主なき部屋を吹き抜けり

田中 三桃

花は葉に別れの時の容赦なく

葛西秋遊子

夏炎昼やこの世をしかと仁王の目

嶋谷木実女

無人駅風鈴列車の尾灯消ゆ

木村 稜太

秋水口の波紋に秋光ストライプ

赤石乃の子

お使いの子にコスモスの色明し

鳴海 顔回

ほほづきに酒くんでくんで飲んじまほ

佐々木蕗呼

第二部2002此岸忘年会inブロッサムホテル

薔薇好きが薔薇に埋もれて亡骸よ

辻 桃子

どしゃ降りの雨の原爆忌なりけり

辻 桃子

雪は霏霏菩薩睨んで鬼を彫る

泉 風信子

第三部2003寺山修司俳句集から

ランボーを五行飛びこす恋猫や

寺山 修司

冬館子音「風の駅」から

秋の夜の恐竜が棲む子供部屋

冬函 子音

母逝きて皮長々とりんご剥く

牧 ひろし