レッツ俳句

2001俳句をうたう

-全作品作曲 奈良岡英樹-
平成13年11月30日in弘前市文化会館ホール
句の紹介 泉 風信子 ピアノ 奈良岡英樹

プログラム

  

1. 旅遥かイルクーツクの木々芽吹く

宍戸 梅研

  

2.  ひな納む閉じぬ眼の深眠り

かわむら 紫穂

  

3. 春の日に白桃色の湯花入れ

大瀬 響史

  

4. 黒揚羽鳥語の中に飛びかひし

三浦星津女

  

5.  花万朶どこまで酌みて眠ろうか

泉 風信子

  

6. 寝しづまる城址桜はおそろしき

船水 以南

  

7. 若葉風主なき部屋を吹き抜けり

田中 三桃

  

8. 花は葉に別れの時の容赦なく

葛西秋遊子

  

9. うきぐさを見て感情を押さえおり

佐々木有風

10. 藤散って言うべきことを忘れけり

阿保 子星

11. 掬う手に真白き雲の泉かな

佐藤 遊白

12. 風光るいい分別の湧きそうな

小野 寿子

13. 炎昼やこの世をしかと仁王の目

嶋谷木実女

14. 蜻蛉に空のさざ波あるごとし

佐々木有風

15. 無人駅風鈴列車の尾灯消ゆ

木村 稜太

16. 古風鈴ながらも気品寂音色

川越 兎月

17. こほろぎのこの一徹の貌を見よ

山口 青邨

18. 水口の波紋に秋光ストライプ

赤石乃の子

19. お使いの子にコスモスの色明し

鳴海 顔回

20. ほほづきに酒くんでくんで飲んじまほ

佐々木蕗呼

21. うるし紅葉切火のごとく発光す

伊東 一騎

22. 木の葉降る碁盤の石の寡黙なり

葛西 鳳亭

23. けもの道燐光放つ月夜茸

二葉 三蓬

24. 寒星やピアノの鍵がをどりさう

新谷ひろし

25. 憂きことを海月に語る海鼠かな

召 波

26. 寒雀松葉まつばの足のあと

大橋 畊拓

27. 寒鯉のかたまりをればあたたかそう

山口 青邨